ゲーミングPC本体の構成と概要について

コラム

ゲーミングPCの基本パーツについて

ゲーミングPCは 高性能CPU、グラフィックカード、大容量メモリ、高速ストレージ の基本4種の組み合わせで成り立っています。もちろんこれらのパーツ類をサポートするためにはマザーボード、大容量電源、優れた冷却装置とケースなどが必要になりますが、この基本パーツ無くしてはゲーミングPCを名乗ることはできません。

もちろんゲームのタイトルによってこれら基本パーツの必要性能は違ってきますが、その時点で大手メーカーやショップブランドにて市販されている「最新ゲーミングPC」なら一般的なPCゲームタイトルはプレイすることが可能です。

今回はこれら4つの基本パーツの違いについて見ていくことにしましょう。

プロセッサ(CPU)

現在汎用的に利用されているCPUのメーカーは Intel社 と AMD社 の2社になります。PC業界全体で見るとシェアは圧倒的に Intel に軍配が上がりますが、ゲームプレイヤーの世界ではこのシェアは均衡しており、ヘビーユーザーやPCマニアは日夜どちらのメーカーがより高性能なのか議論を繰り広げているようですが、一般の方には何が何だか……。と思う方がほとんどでしょうからここで各社のラインナップの概略を紹介しておきます。

これら2社の CPU についてどちらのほうが高性能なのかという議論は言及しませんが、ミドルクラス以上のCPUなら最近のゲームがFHDレベルで要求する CPU スペックは概ね満たしているようです。最近の傾向としてコア数の増加があげられますが、どちらの陣営の場合もコア数やクロック周波数の数値が大きいものほど高性能になるので購入の際には参考にしてはいかがでしょうか。
※両社の CPU規格には互換性は無いので Intel CPU を AMD CPU に換装することはできません。

ゲーミングPCで人気の Intel社製 CPU(第9世代、第10世代)

Intel社 から発売されているゲームに最適な CPU はCore i5 / i7 /i9 になります。もちろん Intel社ではこれ以外にも Core i3 や Pentium、Celeron、Atom、Xeon など用途に応じたCPUを多数ラインナップに抱えていますが、やはりゲーム用途となると Core iシリーズの CPU は必須ともいえるでしょう。

製品名 コア/スレッド クロック/TB時 TDP アーキテクチャ
Core i9 10900K 10/20 3.7GHz/5.3GHz 125W 14nm
Core i7 10700K 8/16 3.8GHz/5.1GHz 125W 14nm
Core i5 10600K 6/12 4.1GHz/4.8GHz 125W 14nm
Core i3 10320 4/8 3.8GHz/4.6GHz 65W 14nm
Core i9 9900K 8/16 3.6GHz/5.0GHz 95W 14nm
Core i7 9700K 8/8 3.6GHz/4.9GHz 95W 14nm
Core i5 9400 6/6 2.9GHz/4.1GHz 65W 14nm
Core i3 9100F 4/4 3.6GHz/4.2GHz 65W 14nm

Intel製のゲーム用途 CPU は主に上記のラインナップになります。第8世代 CPU では当たり前だった HT(ハイパースレッディング)機能は第9世代では最上位モデルの Core i9 を除き無効となっていますが、同時期に発売されている AMD社製 CPU Ryzenシリーズの追い上げが凄まじく 第10世代ではこれらが復活しクロック周波数の上昇と合わせ第9世代より高性能になっています。但し CPU としての TDP(消費電力) が高いのでその分だけ必要な電力は増加しています。

ゲーミングPCで人気の AMD社製 CPU(第3世代)

対する AMD社 ですが、ゲーム用として最適なものは Ryzen シリーズになります。2020年5月現在、最新のものは第3世代CPU Ryzen 3000番台が発売されていますが、この Ryzen シリーズも Intel社製の CPU 同様に Ryzen 5 / 7 / 9 のようにナンバーでそのスペックが分かれています。価格面でIntel製 CPU よりも安価かつコア・スレッド数が多いため低価格で高性能なPCを組み上げることができるため自身でパーツを購入して組み立てる自作ユーザーに人気が高いCPUとなっています。

製品名 コア/スレッド クロック/TB時 TDP アーキテクチャ
Ryzen 9 3950X 16/32 3.5GHz/4.7GHz 105W 7nm Zen2
Ryzen 9 3900X 12/24 3.8GHz/4.6GHz 105W 7nm Zen2
Ryzen 7 3800X 8/16 3.9GHz/4.5GHz 105W 7nm Zen2
Ryzen 7 3700X 8/16 3.6GHz/4.4GHz 65W 7nm Zen2
Ryzen 5 3600X 6/12 3.8GHz/4.4GHz 95W 7nm Zen2
Ryzen 5 3600 6/12 3.6GHz/4.2GHz 65W 7nm Zen2
Ryzen 3 3300X 4/8 3.8GHz/4.3GHz 65W 7nm Zen2
Ryzen 3 3100 4/8 3.6GHz/3.9GHz 65W 7nm Zen2
Ryzen 5 1600(AF) 6/12 3.2GHz/3.6GHz 65W 12nm Zen+

AMD Ryzen は Intel製 CPU に比べるとクロックは控えめになっていますがコア数の多さが特徴です。コア数が多いとそれだけ命令を同時進行で処理することができるため、クロック(速度)よりも重要な重い処理を要求されるような場面ではコア・スレッド数に助けられることになります。

グラフィック(GPU)

グラフィックカード、GPU とも呼ばれていますが、この GPU によってプレイできるゲームが決まるといっても過言ではありません。このGPUについてはCPUと違い、パーツメーカー各社から製品が発売されていますが、メジャーな GPU チップは nVidia社、AMD社の 2社が開発製造しています。

nVidia社 からは GeForce シリーズを、AMD社 からは Radeon シリーズをそれぞれ発売しています。シェアとしては圧倒的に GeForce が人気でしたが、最近ではRadeon の追い上げもあり、どちらを選んでもメジャーなゲームタイトルはプレイ可能となっています。AMDと聞くと CPU の会社と思うかもしれませんが、これは CPU メーカーの AMD社が GPU Radeon を製造していた メーカー ATi社と合併し総合メーカーとなっているためです。

GPUに関してはパーツメーカーごとの人気に違いはありますが、各社共通の型式になっているので混同する心配はありません。

各モデルの性能差についての大まかな目安として、

GeForce の現行モデル

GeForce 型式 末尾の記号
RTXシリーズ 2080 > 2070 > 2060 Ti > Super > 無印
GTXシリーズ 1660 > 1650 Ti > Super > 無印

GeForce のグラフィックカードは基本的に型番の数値の大きいほうがより高性能になります。高解像度で重い処理をしながらリフレッシュノートを重要視するような FPS ゲームなどはより高性能なグラフィックが必要になるため 必然的に RTX2070 Super 以上を選択することになります。また GeForce RTX シリーズではレイトレーシング機能がついているので対応のゲームタイトルであれば光源のゆらぎなどをよりリアルに再現することができるので高精細で世界観を楽しみたい方はRTXを、このレイトレーシング機能が不要な場合はより安価な GTXシリーズをチョイスすると良いでしょう。

Radeon の現行モデル

Radeon/RX 型式 末尾の記号
上位モデル VII
5000番台 5700 > 5600 > 5500 XT > 無印
500番台 590 > 580 > 570

Radeon は最上位に Radeon VII があり、ミドルレンジに 5000番台、エントリー向けに 500番台 をラインナップしています。これによりハイエンドユーザーからビギナーまで幅広いユーザーに受け入れられています。また GeForce シリーズにはない PCIe 4.0 対応という点も見逃せません。 GeForce RTXシリーズのようなレイトレーシング機能を搭載したモデルが存在しないのが残念ではありますが GeForce系 と違い DirectX やOpenGL などの制限を受けず基本性能が良いので Radeon をチョイスするのも悪くないでしょう。ただしRadeon全体の特徴として残念な点が一つ、消費電力の高さが指摘されており TDP200W 超えの製品もあるため夏場の熱の問題を解決する必要に迫られることがあるかもしれません。

GPUを選ぶ際にいくつか気をつけなければならないことがあるのでここでご紹介しておきます。
まず、「ハイエンドCPUにミドルクラスGPU」「ハイエンドGPUにミドルクラスCPU」などバランスの悪い構成にすると性能差がボトルネックとなり十分な性能を発揮できません。もちろん搭載できないわけではないので予算に余裕があるとか後々パーツ入れ替え予定があるとか事情があればこの限りではありませんが、できるだけパーツは適正なものを選ぶことをお勧めします。またGPUを選ぶ際は「電源容量が足りているか」も気にする必要があります。GPUカードは高性能なほど電力消費が激しく、Radeonでは一層TDPは高くなっているので低い電源容量のPCではPC自体が起動しなかったり、起動してもゲーム中に電源が落ちたりということがあります。目安として電源ユニットはそのPCの総TDPの倍程度(もちろんそれ以上の大容量も)のものが望ましいのでPCを構成する際は余裕を持った構成で検討してみてください。

メモリ(メモリー)

メインメモリは OS や各種アプリケーションの実行に不可欠な空間(領域)を確保しています。

まずはじめにお伝えしておくことがありますが、よくメモリについて勘違いされるのがメモリについての表記です。メモリ(メインメモリ)と外部ストレージ領域(いわゆる SD カードや USB メモリなど)です。どちらもメモリという言葉を用いていますがその役割は全く異なり、前者は作業領域の確保、後者はファイルなどを保存するストレージです。混同する原因としては後述する「メモリスロット」が関係しています。メインメモリ搭載のためのコネクタをメモリスロットと呼びますし、SDカードの読み書きスロットのことをメモリスロットと呼ぶ場合があるためです。
メーカー公式サイトやカタログなどでは混同するような表記はなく、それぞれメインメモリスロット、SDカードスロットなどの表記がされていますが、一部ショップや販売店サイト(ECサイト)などではどちらも「メモリ(メモリー)」または「メモリスロット」などと表記されているためその内容を確認して判断しなければならないこともあります。

なお、本サイトではメモリ(メモリー)=メインメモリとして扱っていますので SD カードや USB メモリなどは外部ストレージとして表記しています。

メモリのサイズが大きければこの領域が広いということになります。数年前までは 8GB が主流でしたが、パソコンパーツの性能向上に伴いその容量は肥大の一途をたどっています。ゲーム単体での必須メモリ容量も年々増加傾向にあって 2020年春現在、ゲーミング PC としての推奨メモリ容量は 16GB 以上推奨となります。16GB あればまず困ることはありませんが予算に余裕があるならビックタイトル用に 32GB に増設しておくことをオススメします。

ゲーミングPC(デスクトップ)用メモリの上限

メモリは無限に搭載できるわけではありません。メモリ増設にためには「メモリスロット」に空きがあるか、またCPUやOSが認識できるメモリの最大容量がどのくらいなのかによって異なります。

OSの認識上限

OSによりその上限は異なりますが、ここではゲーミングPCで一般的に利用されているOS Windows 10 について見ていくことにします。 32bit版の Windows10 では3GBが天井となっており、64bit Windows10 では Home で 128GB Pro/Enterprise/Education で 最大2TB となります。一般の方は多くが Windows 10 64bit Home を利用することと思いますが、Proを利用するヘビーユーザーでさえ64GBなので Home で 128GB まで増設する方は居ない(仮に増設しようとしても32GBx4本で15万円~20万円にもなる)ので OS によるメモリ制限は事実上無いものと思って良いでしょう。

CPUによる認識上限

OS以外の制限で見るとCPUによってその利用可能な上限も決まっています。上限を超えたメモリはたとえそれ以上搭載していたとしても利用されることはありません。

Intel Core i シリーズの例

CPU メモリ上限
第9世代以降の Core i9/i7/i5 128GB
第9世代以降の Core i3 64GB

メモリ種別

ゲーミングPCに限らず、PCで利用できるメモリにはさまざまな種類があります。時代によっても規格は刷新されるため、旧世代のメモリは互換性がなく利用することができません。2020年5月現在、デスクトップで汎用的に利用されている規格が DDR4 DIMM になります。この DDR4 規格のメモリには速度があり、DDR4-2133、DDR4-2666 や DDR4-3200 のように表記されますが、2666や3200などの数値はデータの転送速度を表しており値が大きいほど高速動作します。また、メモリ速度はクロックとも呼ばれ、クロックの値が高くなるほどCPUを含めたシステム側の負担も大きくなり利用可能なクロック上限が存在することになります。対応クロックに適合するメモリを選択しなければなりません。

ゲーミング用を含めた一般的なデスクトップパソコンは DDR4 DIMM-2666 またはより高速な DDR4 DIMM-3200 規格で必要な容量をチョイスすることになります。空きスロットがない場合、増設は交換となります。増設はケース内部へのアクセスが必須なので自信のない方は PC 購入時にメーカーオプションなどで大容量メモリモジュールに増設しておくと良いかもしれません。

※メモリはお使いのシステムとの相性が出る場合があるためネットショップなどから追加で購入する際は返品保証や相性保証のついたものを購入すると良いでしょう。

ストレージ(SSD)

パソコンを起動させるためにはOSを起動しなければなりません。この起動用OSデータを格納するためのストレージですが、昔はHDD(ハードディスク)を利用していました。現在ではほぼ全てのパソコンでSSD(ソリッドステートドライブ)を利用しています。SSD は HDD に比べ速度が早いことで知られていますが、電源ボタンを押してから実際に使えるようになるまでの速度は HDD で平均90秒前後、 SSD では平均20秒なのでパソコンが速いと体感的に感じる重要なパーツとなります。SSDの種類としてはHDD置き換え(換装)タイプの 2.5インチSATAや M.2(基盤が露出しているスティック型)があります。2.5インチのものは古いPCやPS4などを SSDに換装することで体感速度が上昇するので一度は換装にチャレンジしたいものです。一方 M.2 では SATA接続型やより高速なNVMe接続型があります。高速アクセスが可能なので古いPCでは規格が合わず、インストールには専用コネクタが必要になります。

そんな SSDですが、HDDと比べていくつかの弱点があります。容量に対してのコストが高いという点、寿命が短い点、発熱が大きい点です。もっともゲーミング用途で考えた場合、容量は500GBで足りますし、超高速読み込みによりゲームの起動時やマップの切り替わり時、戦闘読み込み時などで効果を発揮する点、SSDの寿命よりも短いスパンでPC本体を買い換える点を考えると弱点とは呼べないかもしれませんね。

その他のパーツ

これらのパーツはCPUを除き多くのメーカーが製品を販売しています。規格が決まっている以上、必ずしも同一メーカー製のパーツを組み合わせる必要が無いため好きな性能のパーツ、予算に応じたパーツ、などをチョイスすることでオリジナルのゲーミングPCを構成し必要に応じたパーツ単位のアップグレードが可能になります。

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